留学に必要な英語力

英語力がなくても留学は可能です。海外の大学や専門学校に通うことを目的とする場合は入学条件としてIELTSやTOEFLのスコアを求められることがありますが、短期留学やワーキングホリデーで語学学校に通う場合は、特に英語力の証明を提出する必要がありません。

ですがやはり海外で生活をする上では、ある程度英語を理解し、受け答えができなければなりません。ここでは語学留学、ワーキングホリデー、専門学校・大学進学、現地企業インターンシップなどの目的に応じて、必要な英語力を英検やTOEIC、IELTSなどの資格試験のスコアを参考に紹介します。

英語資格試験について

英検(実用英語資格検定)

日本で最も幅広く受験されており、一度取得したスコアは生涯有効です。海外の教育機関でも入学時の語学力認定資格として認められているところもあります。

TOEIC (Test of English for International Communication)

日本国内で特にビジネス関係で重視されている英語資格試験です。海外でも開催されていますが、受験者の約6割を日本と韓国が占めています。日本では企業によってTOEICスコアが採用条件になっていたり、スコアによって昇給制度があるところもあります。

TOEFL (Test of English as a Foreign Language)

その名称の通り非英語圏の出身者のみを対象としており、英語圏の高等教育機関が入学希望者の外国語としての英語力を判定する際に用います。日本では教育機関等での学内単位認定や、入試優遇、海外派遣選考の目安として利用されています。

IELTS (International English Language Testing System)

アカデミック・モジュール(大学や他の高等教育機関への出願のためのテスト)とジェネラル・トレーニング・モジュール(一般的な生活、仕事、移住関係に関わる英語のテスト)の2種類があります。
IELTSはオーストラリア、イギリス、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ共和国のほとんどの教育機関で受け入れられ、アメリカ合衆国では3000以上の教育機関で受け入れられています。また、オーストラリア、ニュージーランド、カナダへの移民の必要条件にもなっています。

※どの英語資格試験を受験するかによって測ることができる技能が限られる場合があります。例えば、英検は級によってカテゴリ分けされた、アカデミックな内容構成であったり、TOEICのリスニング、リーディングテストではスピーキングテストが含まれていないなどです。また、各試験に共通して言われていることですが、高得点を取るためにはそれぞれの試験で特有のテクニックが必要です。そのため、英語資格試験のスコアが実生活で使える英語レベルを100%反映しているとは言えず、あくまで目安として考える必要があります。

目標レベル

語学学校では入学初日にプレイスメントテストと呼ばれるレベル分けテストを行い、その結果によってご自身が受講するクラスが決まります。大まかに、初級・中級・上級に分かれます。

初級(英検3級 / TOEIC 350~400 / TOEFL iBT 36~38 / IELTS 4.0~4.5)

Elementary、Beginner などと呼ばれる英語レベルです。英検3級は中学卒業レベルの英語力と言われているのでわかりやすいかもしれません。基礎学力として身に付けているべきもので、単語数にすると約1200~1300語の基本単語をマスターしているレベルです。英検3級をTOEICスコアに換算すると約350~380点程度。また、英検3級からは面接試験が組み込まれるので、スピーキングのきっかけを掴むという意味でも留学前の準備として受験してみるのも良いでしょう。

 

初めての留学やワーキングホリデーで語学学校に通学する際、多くの日本人学生が初級レベルからレッスンをスタートします。弊社の生徒さんからはよく、「クラス内での発言が難しい、授業での先生の質問の意味すら分からない」など、多くの相談を受けます。最初のうちはそういうものですので、そこまで不安を感じる必要はありません。学校に通い、環境に慣れてくると、耳が英語に慣れてきてリスニング力から伸びを感じるでしょう。授業を受けているうちに先生の言っている内容が分かってきたり、単語単語でも発言することに慣れてくれば英語が楽しくなっていきます。

中級(英検2級 / TOEIC 400~625 / TOEFL iBT 45~70 / IELTS 4.5~5.5)

Intermediateと呼ばれる英語レベルです。英検2級は高校卒業レベルの英語力と言われており、大学受験を経験された方はセンター試験を思い返すと分かりやすいでしょう。TOEICに換算すると大体550~700点程度。600点台になると、スピードは速くはありませんが複雑な内容でも理解でき会話をすることができると言われています。また、英検2級レベルを単語数に換算すると約3500~5000語となり、この中には専門用語も含まれてきます。そのため、専門分野の話題もある程度理解できるようになってきます。

日本の大学での海外提携大学への交換留学の基準は、TOEIC 650、TOEFL iBT61以上、IELTS6.0以上と設定しているところが多いです。
カナダの人気公立カレッジ(専門学校)であるGeorge Brown Collegeでは、TOEFL iBT 80以上、IELTS6.0以上のスコアを保持していることが入学条件になっています。

 

語学学校では中上級レベルの生徒を対象にしたカレッジ・大学進学準備コースを提供しており、受講要件としてTOEIC 625以上やIELTS5.0以上などの基準が設定されています。カナダでカレッジ進学をお考えの方はまず、中級レベル以上のスコア取得を目標にしましょう。

上級(英検準1級 / TOEIC 750以上 / TOEFL iBT 80以上 / IELTS 6.0以上)

Advancedと呼ばれる英語レベルです。英検準1級は大学中級レベルと言われ、実際に使える英語力として広く評価されています。TOEIC 750点以上は日常のさまざまな状況でコミュニケーションを取ることができる英語力と言われています。専門学校や大学、現地企業でのインターンシップや就職など、長期的な留学をお考えの方は計画的にこれらのスコアを目指していきましょう。

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