今年もカナダのTax Return(タックスリターン)の季節がやってきました。
タックス・リターンとは、日本でいう確定申告のカナダバージョンです。前年の所得などをカナダ政府に申告し、所得にあわせた税金を納めたり、税金を払いすぎている場合はその返金を受け取ることができます。
日本で働いたことがある方なら確定申告という言葉を聞いたことがあるかもしれません。日本での確定申告は、会社に勤めている場合は会社が社員の代わりに年末調整をやってくれます。会社がやってくれる場合、従業員の方たちはサインをしたり印鑑を押すだけなので、確定申告や所得税について気をもむこともないかと思います。
さて、カナダの確定申告ことタックスリターンはどうなのかというと。
日本と違い、カナダでの確定申告は勤めている会社ではなく自分でしなければならないのです。
ワーキングホリデーの方もカレッジなどの留学生でアルバイトをした方でも、カナダで少しでも働いた場合はタックスリターンをする必要があります。
カナダの確定申告Tax Returnとは
Tax Returnと縮めて呼ばれるカナダの確定申告ですが、より正しく言うとIncome Tax Return(インカム・タックス・リターン)です。Incomeつまり所得とあるように、基本的には所得についてを申告することになります。
申告した上で、税金を追加して収めるか、払いすぎた税金が返ってくるのか査定されて決まる形です。ワーホリや学生アルバイトなどで収入が多くない場合は、返金される形になるのがほとんどです。所得の額にもよりますが、1000ドル(日本円で9万円前後)以上返ってくることも、、、!
申告時期に関連する学費などの支払いを申告すると、その分控除されてさらに多く返金されることもあります。必要な書類や情報を事前に確認して取り掛かるのがよいですね。
タックスリターン対象者
学生ビザ、ワーキングホリデービザ、その他働けるビザや永住権、市民権を持つ方。
※SIN(社会保障番号)を持っている方のみ。
※観光ビザの方・語学学校のみの学生ビザの方は就労できないので対象外です。
申告する期間と締切
申告期間 | 前年の1月1日から12月31日までの1年間分 |
締め切り | 原則、前年の1年分のインカム・タックス・リターンを4月30日までの間に提出。 |
例)2021年度のタックスリターンを行う場合、2022年の4月末までに申告が必要。
※4月30日を過ぎても手続きはできます。ですが、追加徴税の場合は期限を過ぎると利子がついてしまい、さらに多く支払うことになります。
申告に必要な書類
SIN | カナダで就労できるビザがある場合に発行できる社会保障番号。 |
T4 | 源泉徴収票。前年分を年明けに雇用主からもらいます。 |
T1 General | 郵送で申請する場合に必要な用紙。郵便局・CRAウェブページなどで入手可能。 |
その他 | ・学費、家賃などの追加控除用の書類 ・タックスリターンの銀行口座、もしくは小切手郵送先 などなど… ひとりひとりの状況にあわせて申請できる控除などが異なってきます。カレッジに通われている方は学費を申告することで返金額が変わることも。ご自身で調べながら書類を用意して申請するか、心配であればカナダの税理士や会計士さんなどに依頼する方も少なくないです。 |
※CRA=Canada Revenue Agency (カナダ・レベニュー・エージェンシー)というカナダ税務局。
タックスリターン申告方法
インカム・タックス・リターンの方法は大きく二つ。①郵送での申請と②オンラインでの申請です。
申請用紙の記入はカナダの公用語である英語かフランス語のいずれかになります。
①郵送でタックスリターン
- 郵便局やCRAウェブページからT1 Generalというタックスリターン申請用紙を入手。
- 雇用主からもらったT4(源泉徴収票)や必要書類をもとにT1 Generalを記入。
- T1 Generalを含めた必要書類をCRAに郵送。
②オンラインでタックスリターン
カナダ政府が認可した無料・有料のオンラインサービスを使用してタックスリターンをすることもできます。
- 使用するオンラインサービスを決める。
- T4などの必要書類の内容を入力。
- オンライン上で書類を提出。
税の返金方法
税金を多く支払っていた分が返ってくる場合は、口座振り込みか小切手での返金を選べます。実際、ほとんどのワーホリ・留学生の方はお金が返ってくることになると思いますよ。
オンラインの場合は比較的すぐ査定が分かり、返金される・もしくは追加納税する額が出ることもありますが、郵送で行った場合は数週間後に査定された金額のお知らせが届きます。このお知らせは査定通知(Notice of Assessment)と呼ばれています。
タックスリターンはお早めに!
T4はだいたい2月頃には雇用主から受け取ることができます。インカム・タックス・リターンの期限は4月末なので、締め切りまで2か月程度の猶予がありますね。ですが、可能であれば早めにタックスリターンの申告をするのがおすすめです。
というのも、を受け取ってすぐであればCRAでのタックスリターン手続きも混みあっておらず、比較的早めに査定通知が届きます。一方で、締め切り間際の申告すると手続きが混みあってしまい、結果が届くのに長く待つことになってしまう可能性があり、2ヶ月近く待つ場合もあるそうです…!
待ち時間が長くならないよう、早め早めの申請がよさそうです。
タックスリターンの注意点
上記にあるように、カナダでもタックスリターンは前年の所得について申告するものです。たとえワーホリやカレッジの期間が終わって日本に帰国している場合でも、前年にカナダでの収入があった場合はタックスリターンを申告する必要があります。
「帰国したからOK!」というわけでは残念ながらないのです。
厳密にいうと、返金がある場合(カナダ政府から払いすぎたお金が戻ってくる場合)はお咎めや催促はありません。でも万が一追加納税となる場合は、遅れてしまうと利子を払うことになりますし、基本的にはタックスリターンをする義務があります。
「英語での確定申告!」と思うとハードルが高そうですが、解説をしているウェブサイトを活用したり、オンラインサービスを使えばそこまで難しくはないはずです。思い切って会計士さんにお願いするのももちろん選択肢の一つですよ。
ワーキングホリデーの方も、カレッジ学生でアルバイトしているかたも、忘れずに済ませましょう!
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